立山黒部アルペンルートの交通機関を利用して、長野県から富山県にまたがる稜線を歩いてきました。

今年の春から新たに活躍する電気バス、ケーブルカーやロープウェイを乗り継いで、天空の世界へ。午後から乗車する人が少ないせいか、乗り換えの道中は大した混雑もなく、黒部ダムの観光放水、ロープウェイから望む後立山連峰と黒部湖の絶景など、ゆったり観光を楽しみながらの移動です。

室堂に到着すると、三大霊山のひとつである立山や別山尾根の背後に聳える剱岳の雄大な景色が広がっていました。

入山2日目。雷鳥平の木橋を渡り、小さくなるテントや雷鳥平の全容を見下ろしながら稜線上の鞍部に登りきる頃、雄山方面から朝陽が昇って来ました。ここから暫くは、奥大日岳から大日岳へ続く気持ちの良い稜線、立山道路を走るミニカーのような高原バスを見ながら登る緩やかな稜線歩き。

先へ進むにつれ、遠方に聳える槍穂高連峰や雄大な薬師岳や笠ヶ岳など、名峰の数々が姿を現します。

称名滝へと続く称名廊下の峡谷越しに望む重鎮のような薬師岳。この峡谷を流れる水が、落差日本一の称名滝に流れ込んでいると思うと神秘的です。

奥大日岳山頂から眺める剱岳は、このコース随一の絶景ポイント。雲ひとつない360度の大パノラマで、なかなか山頂から離れられませんでした。

山頂直下は、先程までのハイキングとは一変し、岩場を慎重に下ります。

鎖場や梯子の架かった斜面の後は、再び緩やかな稜線上へ。この辺りは、屋久島の宮之浦岳周辺を歩いている時の様な気分でした。

巨岩が点在する七福園と呼ばれる自然庭園。真夏のアルプスも良いですが、ナナカマドが赤く染まる頃、また訪れたいと思わずにいられない素敵な庭園です。

どこまで歩いても存在感抜群の剱岳。この辺りは、北アルプス三大急登・早月尾根の堂々たる姿が印象的でした。あとひと山超えて下りきると、休憩ポイントの大日小屋。昼食の話で盛り上がりながら、もうひと頑張り。その後は、大日平まで下り、山小屋のシャワーを浴びて、まったり一夜を過ごしました。

最終日は、大日平の湿原を後にし、称名滝へ。天気予報通り、昼から天気が崩れそうな空が広がっていたので早々に下山開始。

4段に分かれる落差350mの称名滝。天空から見下ろしていた峡谷のゴールは、圧巻のひと言でした。