湿雪がコンコンと降り続いた日の翌朝、辺りは白銀の世界と化していました。
北八ヶ岳を横断する唯一の国道299号(メルヘン街道)も、冬季は通行止め。山小屋関係の車両、スノートレッキングやクロスカントリースキーを楽しむ者だけの限定コースに変わります。まだ誰の足跡も付いていない直線からスタートです!
朝陽を浴びて煌めく樹氷や動物の足跡を楽しみながら、新雪を坪足で前進。無雪期に国道を車で移動していた時には気付かなかった僅かな起伏も、早朝の身体には少し堪えました。
標高2,115mの原生林の真ん中にぽっかり浮かぶ神秘的な白駒池。初夏から晩秋にかけて、観光客や登山者で賑わう池も、この通り全面凍結。広大な真っ白いキャンパスに天を仰ぎながら寝そべり、至福の時間を満喫しました。
早朝の森を行き交う動物たちの足跡。苔むすシラビソやコメツガの森は、メルヘンの世界。まるで粉砂糖が降りかかったドイツ菓子のシュトーレンのよう。
モノクロのような世界だった前日と違い、今日はあの山の上から絶景を見ることができるだろうか。霧と青空が交互に現れる空、期待で胸がワクワクします。
エビのシッポの様な樹氷と凍てつく岩が印象的なモノクロの世界。残念ながら、茶臼山の展望台から絶景を望むことは出来ませんでした。
茶臼山から縞枯山へ向かう途中の稜線は、立ち枯れの木や秋の台風で倒れた倒木や樹氷のモンスター達の造形美が見事です。
真っ青な空に向かって伸びていく急坂。汗冷えしないよう、頬骨まで伸ばしていたネックウォーマーを外し、ジャケットのベンチレーションを半分開け、快適な温度を保ちながら登り続けました。
先ほどまでの晴天も長くは続かず、またまた幻想的な霧の世界。
縞枯山の山頂を過ぎてからは、サクサクと軽快に下り雨池峠へ。ロープウェイ山頂駅まで、あとわずかの道のりは雪山を楽しむ人々で賑わっていました。
下山後、里から眺めた八ヶ岳連峰。心地よい疲労感の中、数時間前までの余韻に浸りながら、家路へと向かいました。
今回使ったアイテム
リュックサック:SL 35、ジャケット:boma NS jkt (unisex)、パーカー:featherlite W’s down parka、シャツ:waffle W’s L/S crew、パンツ:summit pro pants (unisex)、ネックウォーマー:wool neckwarmer