小春日和の週末、車窓から八ヶ岳や中央アルプス山麓に広がる紅葉を眺めながら、恵那山へ向かいました。中央アルプス最南端にある恵那山は、「天照大神が降誕の際、胞衣(えな=へその緒)がこの山に埋められた」という伝説から名づけられた信仰の山としても有名です。
阿智村の車道は、紅葉真っ盛り。眩しすぎる紅葉と青空のコントラスト、サクサクした落ち葉の感触に癒されました。
翌日の足慣らしを兼ねて、歴史浪漫あふれるコースを散策。この「滝見台」周辺も、里山と紅葉の景色が見事です。
神坂(みさか)神社は、古代の東山道最大の難所の神坂峠の登り口に鎮座する、まさにパワースポット。神聖な空気に包まれ、とても穏やかな気持ちになれました。
拝殿を囲むように伸びる、樹齢2000年以上の日本杉の御神木や栃の巨木は圧巻。
信濃比叡 広拯院は、かつて東山道を行く旅人の苦難をみかね、旅の宿として1200年前に最澄上人が建立したお寺です。いつまでも響き渡る鐘の音に癒されました。
散策の後は、日が暮れないうちにテントを建て、夕食作りです。今回の主役は、このダッチオーブン! 慣れない火起こしや火加減に、キャンプ初体験の皆さんは悪戦苦闘でした。
すっかり辺りが暗くなった頃、まずは、キッシュとビーフシチューで乾杯です。初めて作るアウトドアクッキングの醍醐味と美味しさは、一生忘れられないでしょう。
メインディッシュで落ち着いた後は、じっくりコトコト焼いた焼きリンゴと焼きマシュマロです。風も無く穏やかな夜、串に刺したマシュマロを焼きながら、いつまでも炎を眺めていたいひとときでした。
慌ただしく夕食の片付けを終えると、清流のせせらぎと満点の星空だけの時間になっていました。星空が綺麗なことでも有名な阿智村の夜、とても幸せな気持ちでシュラフに潜りこみました。
翌朝は、いよいよ恵那山へ。台風直後や増水時には、この橋が流れてしまうこともあるそうなので、この立派な橋に感謝しながら渡りました。気温は5度。街ならコートを着たくなる肌寒さですが、木の根や岩が露出した急坂を歩き始めた私達には、とても清々しい陽気でした。
短調な樹林帯を抜け、小ピークを通過した辺りからは、景色が一変します。時々見えるアルプスの山々に癒されながら、背丈ほどある笹原の間を登っていきます。
グングン高度が増すにつれ、名峰と山麓の絶景が広がります。左手には南アルプス、その反対側には御嶽山や槍ヶ岳、背後には中央アルプス。これまでの苦労が一気に報われる瞬間でした。
再び樹林帯の急坂を登り、山頂を踏んだ後は、大休憩と絶景を求めて、更にその先へ。クライマックスは、高い空を見上げながらこの岩壁を乗り越えます。
ここまで登った甲斐がありました! 避難小屋裏のビューポイントからは、横一線に並ぶ南アルプスと富士山が見渡せました。
樹林に覆われた恵那山は、稜線からの絶景、木立の間から見える高い空や煌めく笹原が印象的な秋こそおすすめです。
今回使ったアイテム
リュックサック:SL 35、ダウン:featherlite W’s down parka、フリース:alpiniste W’s fleece、シャツ:flex SR W’s S/S crew、サコッシュ:trek carry sacoche、帽子:wool beanie +d、グローブ:PSP glove+d、財布:trek carry team purse