2018年夏、アイガー(Eiger)をメインに色々なところでクライミングをしてきました。僕がそこで感じた事やクライミングの面白さをお伝えしたいと思います。vol.1はアイガーでのクライミングの1日目をお届けします。
高校生の時雑誌や本でアイガーという山の存在を知って、いつかは登りたいと思っていたこの山にパートナー、天気共に恵まれ登りに行くことが出来ました。アイガーはグリンデルワルドにあるユングフラウ(Jungfrau)、メンヒ(Monch)と並びユングフラウ3山のひとつで、標高3970mを誇る山です。有名なのはアイガー北壁ですが、今回は初めてという事もあってガイドルートで使われているミッテルリギーグラート(Mittellegigrat)を登ることにしました。
1日目、アイガーを登る朝はゆっくりで、14時頃に電車に乗り、15時にはアイスメア(Eismeer)に着き、そこから登り始めました。
トンネルから出て、いきなり悪めのトラバースをしてから懸垂下降で氷河まで降ります。
氷河に降りてからも上からのセラックと落石があるので、注意しながらかなり早く歩かなければならなく常に緊張気味でした。
しばらく氷河を歩いて、ミッテルリギーグラート(Mittellegigrat) に出るためにクライミングして岩壁を歩いたら、あっという間にミッテルリギーヒュッテ(Mittellegihutte)に着きました。小屋には沢山のガイドとお客さんがいてビールを飲んだりつまみを食べたりとすごく賑やかでした。
20時ごろに陽が沈み始め、赤く染まり始めたアイガー。写真でしか見れなかったこの風景が実際に見れるのはクライマーの特権ではないでしょうか。感動と適度な緊張感の中、白ワインとラムを飲み、次の日に備えて20時には寝ました。
2日目、諸事情により僕らは自分達で朝食を作らなければならなかったため、朝4時に起床。早いパーティーは4時半に朝食を済ませ5時に出発していましたが、僕たちは混み合っている中で登るのを避けるため6時頃に出発しました。
ミッテルリギーグラートは登山というよりクライミング要素がほとんどで、しっかりした足置きやアイゼンワーク、手袋をつけた状態での登攀ができなくてはいけません。さらに電車の時間にも間に合わなければいけないのでしっかりとしたペース配分と体力が必要です。薄暗い中ヘッドライトをつけてのクライミング、リッジ歩きなので緊張感がありました。
6時半ごろにのぼり始めた太陽。僕たちが進む岩稜を明るく照らしてくれました。太陽のお陰で身体も温まりペースも上がります(vol.2へつづく)。