リュックキャンプ担当のrucです。久しぶりですが、今回リュックキャンプはお休み。なんだかんだ今年は山に全然登ってなく、この時期の山ともなると、たぶん2年ぐらいご無沙汰です。他のメンバーからも「そういえば山で見かけない(笑)」と言われる始末。ということで、今回は登山企画に参戦いたします!
夏山はかなり久しぶりなので、満喫するべく深緑と高度感のバランスが良い八ヶ岳をチョイス。ルートは麦草峠から天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳へと抜けていくやや長い縦走1泊コース。それぞれの山を何度か登ったことはありますが、山々を繋ぐのは今回が初めて。これまでのキャンプ企画では重量装備でしたが、今回は打って変わって軽量スタイルで挑戦してみることに。山行の相棒は軽量モデルながらも荷重分散に優れた〈hot crag 30 typeⅡ〉を。30リッターリュックでのテント泊は初めてなので荷造りが心配でしたが、軽量化の進んだ最新ギア類のおかげか、なんなくクリア。心なしか気持ちも軽くなり、期待とともに八ヶ岳へ出発です。
登山口へは茅野駅から麦草峠まで公共機関を使って移動。若干アプローチに時間がかかってしまい、いきなりタイムロス…。そこから白駒池へ向けて少し遅めの登山スタート! 天気は曇り、気温は思ったより低く、池に着くと霧が一面を覆っていました。池に近寄り、静かに動く水面を眺めていると、カモが2羽。しばらくすると遠くまで見渡せるようになり、いつのまにか霧と一緒にカモもどこかへ。
遅れた時間を取り戻すべく、高見石小屋まで急ぎ足で登ります。軽量スタイルながらもやはり登り始めは呼吸が乱れ、気温とは反してすぐに汗が吹き出ました。マニュキュアのように色づいた葉が風に揺れると、まるで奥へと手招きしている様子。なんとなく気持ちが軽く感じました。
〈hot crag 30 typeⅡ〉のバックシステムは軽量モデルながらアルミフレームを内蔵しており、荷重をしっかりと腰へと伝えてくれます。食料も水もまだ何も減っていない状態でしたが、肩への負担は少く快適に登れました。
高見石小屋では立ち止まらず、そのまま中山へ。樹林帯を抜けると冷たい風が吹き抜けました。中山展望台でしばらく涼み、尋常じゃない汗を落ち着かせます。しばらくいるとホシガラスに遭遇。カメラを向けるとすぐに中山方面へと飛んでいってしまいました。追いかけるように中山に向かい歩きましたが、ホシガラスは見つけたもののすぐに見失ってしまいました。さらに気づくと山頂ぽくない中山は気付かず通過…。次は本日のメイン、天狗岳へと足を運びます。
道はだんだん岩が多く、大きくなってきました。浮石に気をつけながら1歩ずつしっかりと歩みを進め、天狗岳を目指します。登るにつれ雲も多くなり、太陽が見え隠れ。この時期にしてはかなり涼しく快適ですが、ほとんど景色が隠れてしまい残念。
東天狗の頂上に着くと雲は嘘のようになくなり、360°の絶景が広がりました。根石岳への道もしっかり見えます。ここからの下りはしばらく岩場ですが、白砂新道は抜けが良く走れそう。ワクワクしながら下り始めます。
案の定、下るにつれ道の岩は小さくなり、まるで砂浜のように白くなっていきました。とても歩きやすく、思わず走ります。ちょうどボトム位置で少し休憩。谷間を抜ける風がとても心地良く、横になったら寝てしまいそう。整地されたかのように草花が広がっており、ここでテント張ったら気持ちよさそうです。
根石岳山荘を抜け根石岳を越えます。箕冠山に関しては中山の時と同様気付かず通り越していました(笑)。あとは本日の宿泊地、オーレン小屋まで一気に歩きます。再び道は新緑に包まれ、太陽を遮ります。本日のゴールが近いせいか木漏れ日が優しく感じ、疲れを癒してくれます。
オーレン小屋につくと同時に空は雲で覆われました。今にも雨が降り出しそう。早速テントを設営し、夕食の準備。食べ終わり、荷物の整理をしていると案の定大きな雨粒がポツリ、ポツリ…。あわててテントの中に逃げ込みました。少し早いですが、明日の長い行程を考え寝ることに。が、雨は次第に強くなり、まるで嵐のよう。テントに打ち付ける雨音が激しく、なかなか寝つけませんでした。
早朝目が覚めると、雨は止んでいて、テント場は霧に包まれていました。しかし、朝食を済ませるとまたポツリと…。昨夜同様、食事後雨に…。ともあれ、食事中でなかったのが不幸中の幸い。急いで出発の準備をしますが雨の中のパッキング作業は非常に効率が悪い、というかやりにくい! なんとか全てをリュックに詰め込み、ヘッドライトの明かりを頼りに早々に出発。疲れは全く残っていませんが、濡れたテントのせいか昨日よりリュックが重く感じます。最初の1時間は腰への荷重を多めに調整。軽量リュックながらもアルミフレームを内蔵したバックパネルだからこそなせる技です。
ヒュッテ夏沢に着くと登山学校の生徒さんたちが朝食を食べていました。早朝の雨のせいか若干寒いので、休まずに硫黄岳を目指します。途中別のクラスと思われる生徒さんを追い越しましたが、これがまた50人程の多人数で挨拶ラッシュ、しかも丁度急登(笑)。たぶん40回くらい「おはようございます」と言いました(笑)。みなさん笑顔で見送ってくれ、とても嬉しい気分になりました。しばらくすると辺りはガスに包まれ、視界がほとんどない状態に。大きなケルンを頼りに頂上を目指します。
頂上もガスで一杯。横岳も赤岳も何も見えず、方角すら気を抜くと分からなくなります。止まる理由もないので休まず先を急ぎます。
視界が悪い中での横岳、赤岳への道はなかなかスリル満点。鎖場、ハシゴを慎重に進みます。白いガスのなかに咲くコマクサがとても綺麗。見とれていると滑落しそうなので、別の安全な場所で1枚パチリ。
横岳への途中、少し登山道を離れ大同心の終了点へ。ロープとハーネスがないせいか、足元が気になります。しばらくいるとガスが晴れ始め、雄大なその姿を見ることができました。自然の造形は見事です。次は大同心雲稜ルートでここまで登ってみようと、一人心で誓うのでした。
横岳を越えると、少しづつ天気が回復してきました。振り返るとなかなか険しい道のり。〈hot crag 30 typeⅡ〉のボトムは巻き上がった形状のため、岩場での急な下りも引っかかりにくく安全です。
地蔵尾根に着くと今朝の天気が嘘のように晴れ間に変わりました。多少雲が残っていましたが、なんとも幻想的で良い雰囲気。下をみると行者小屋がくっきりと確認できます。しかしながら時計を見るとタイムオーバー。下り時間を考えると赤岳を目の前にして泣く泣く下山という判断に。後ろ髪を引かれながら地蔵尾根を下ることに。
地蔵尾根はいつ下っても急に感じます。スピードが上がるにつれ行者小屋が次第に大きくなっていき、気温も上がってきました。小屋前で水を調達し、一気に美濃戸まで下ります。歩きながら今回のルートを見返してみると、この区間はオーレン小屋から行者小屋まで以上の距離。多少の疲労感がそうさせるのか、とても長く感じました。
何回か八ヶ岳には訪れたことはありましたが、今回は今まで一番長い行程。あいにく天気には恵まれませんでしたが、壮大な自然を堪能できたと思います。軽量スタイルが功を奏したのか、いつもの山行よりいろんなことに気づけたり、気持ちに余裕が持てました。こういった余裕が普段見過ごしてしまうであろう草花や動物、山の顔を楽しませてくれるんだなあと。冒頭でも言いましたが、最初30リットルリュックでのテント泊挑戦には少し不安を感じていました。しかしながら時期、行程、ギア類をしっかり選べば全く問題なく楽しく過ごせます。食事はドライフードばかりで味気なかったですが…。赤岳には登れなかったものの、久しぶりの登山はとにかく大満足の一言。次回の企画はリュックキャンプか登山か? 気持ちは完全に登山の方に…。ということでどっちになるかは次回のお楽しみ!
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【ギア紹介】
●リュックサック(hot crag 30 typeⅡ):軽量さと背負いやすさを実現したトレッキングザックの新定番リュック。
●Tシャツ(logo T):速乾性を持つポリエステルとソフトな肌触りのコットンを使用したTシャツ。
●パンツ(light trekker pants):ストレッチ性の高い〈PERTEX® EQUILIBRIUM®〉を採用したパッカブル仕様のトレッキングパンツ。
●アクセサリ(rain 3L cap):3Lの防水素材を使用したレインキャップ。
●ワレット(VT wallet):ポケットが多く小分けになっているので、とても便利。
●レインウェア:karrimor ●インナーダウン:karrimor ●テント:ゴーストUL1テント ●シュラフ:NANGA UDD BAG 1000DX ●トラベルシート:コクーン ●マット:サーマレスト ●小マット:サーマレスト ●バーナー:MSR ●ストック:MSR ●ナイフ:SPYDERCO ●ミニパワーバンク(outdoortech):カメラや携帯で写真を撮る事が多いので、すぐに充電できるよう持っていれば安心のアイテム。
●カメラ:NIKON クールピクス P340 ●食材:ドライフード2日分 ●浄水器:SAWYER ソーヤー ミニ ●水筒:platypus ●ヘッドライト:ペツル