karrimor mountain journal vol.10 高尾山

待ちに待った春! ついに今年もトレッキングの季節がやってきました。前回の日光雲竜渓谷の雪景色から一変。今回は、新緑を求めて高尾山へ行くことに。
「いまさら高尾山!?」と思うかもしれませんが、山頂までのルートは豊富にあり、ゆっくりと自然と触れあうことのできることのできる奥深い山なのです。都内からのアクセスが抜群によく、駅から降りてすぐに登山口という立地も魅力。「世界一登山客の多い山」というのも頷けます。なんと年間260万人もの人が訪れているのだそう。
そんな高尾さんの魅力の「再発見」に加え、もう一つ私が高尾山に行きたかった理由があります。はじめて山登りを経験したのが、陣馬山から高尾山の縦走でした。あれから1年が経ち、あの頃わからなかったことや、見えていなかったものをもう一度探しにいきたいと思ったからなんです。

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「新緑や、草花が咲き誇る春を肌で感じたい!」 そんな思いを胸に登山道に入ると、早速お花たちが出迎えてくれました。木の根元にこっそり咲くタチツボスミレ、道沿いで太陽に向かって顔を出すシャガ、ショッキングピンクが緑の中で映えるツツジ。そういえば小学生の時に帰り道のおやつは、ツツジの甘い蜜だったな…なんて、昔の思い出話をしながら足を進めます。他にも風鈴のような形をしたドウダンツツジなどなど、春のトレッキングは四季の中でも最も見応えのある時期なのではないでしょうか。

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1時間10分程、舗装された道がつづくのですが、自分が思っていたより急登…。よくよく考えると、標高は低いのですが、登山口で191m、山頂で599mなので、実は400mも標高差があるのです! トレランをしている方がいたのですが、足上げがなかなかキツそうな様子。私も普通に歩いていても息が上がるので、急がず自分のペースでゆっくり登っていきます。道なりに登ると、ケーブルカーの駅や、さる園などがあります。分岐地点は2つ。1つ目のルートは「高尾の森コース」。薬王院へ続く道を選択する人が多いと思いますが、私たちは森の中の吊り橋を目当てに「森と動物コース」をチョイス。灯篭が規則正しく並ぶ景色につい足が向いて分岐に気づかず、ちょっと戻りました(笑)

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分岐地点から一気に森の中へ。木陰が多くなり心なしか涼しげ。でも、木漏れ日が気持ちよい登山道を歩いていると額には汗が。今回選んだシャツ(beni W’s shirts L/S)もそうですが、吸水速乾の機能を持つアンダーウェアはマストアイテムだなと思いました。
空を見上げると…なんとヤマザクラが咲いていました! 街中では4月上旬にはピークが終わってしまった桜を、また見れるとは。しかし、満開は1週間前だったとのことで残念がっていると、「少しでも見られたからよかったわよ」と、同じ道を訪れた方が声をかけてくれました。

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森の中を10分〜15分程歩くと、お目当ての吊り橋が現れました。木製のしっかりした作りですが、揺れるとちょっとこわい。でも、ブナの新緑の青々とした木々に囲まれた空間は、身体全体で「春」の訪れを感じることができました。

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高尾山はイラスト入りの看板がとても多い印象。子供向けの案内板ですが、大人が見ても楽しく、まだまだ知らないことばかりだな…と初心に戻ることができました。ファミリーで訪れれば、子供と一緒になって学ぶこともでき、いろいろな発見も多いのではないかと思います。ちなみにこの写真にある「いろはの森」は、いろは48文字をそれぞれ頭文字とする樹木が植わっているそうです。今回は途中から気づいたので、次回はゲーム感覚で48本コンプリート目指してみたいです。

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ベンチもたくさん。中でもいろはの森分岐地点付近にあるベンチは私的におすすめ休憩スポットです。風の抜け方と、座って見渡す森林の空間が心地よく、耳をすませばいろいろな鳥たちの鳴き声も聞こえました。写真だとなかなか伝えるのが難しいのですが、訪れた際にはぜひ腰を掛けてみていただきたいと思います。

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ゆっくり植物の観察をしながら楽しんで到着した山頂。着いてびっくり! 小学生の遠足で利用している団体で大賑わい。いたるところで子供達の笑い声が響き渡り、幅広い年齢層が一堂に会する、なんて楽しい山なんだろう!と思いました。山頂では売店なども充実しているので、買って食べるものいいですね。本当は山頂から富士山を眺めることができるそうですが、残念ながらその姿は霧の中。

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山頂を越えて10分程足を進めると、今回の目的地「もみじ平」に到着。山頂から先は陣馬山につづく縦走コースへと繋がっているので、あまり先に行く人が少ない印象ですが、実は細田屋さんという休憩場所があるのです。なめこ汁やところてんなどもあるそうでメニューが豊富! 先輩はここでお昼ご飯を調達。

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さて、私もお楽しみのランチタイム! 小屋のごはんは美味しいとわかっているものの、やっぱり手作りで行きたい私です。今回はトルティーヤサンドに挑戦。サンドする中身は、サラダ菜、その場でカットした輪切りのトマト、コッフェルで火を通したベーコン、大きく割いたカマンベールチーズ、オリーブオイルで焼いた目玉焼き。トルティーヤは巻く前に少しフライパンで温めると、もっちり感が復活して美味しいですよ。今回スープはお湯で溶かす固形タイプ。無印良品で見つけたのですが、日常のショッピング中にもアウトドアで便利な商品が沢山ありますね。もう1つ、写真に入れるのを忘れてしまったのですが、皮ごと食べられるぶどうも持って行きました。帰りにもゴミが出ないのでおすすめです。

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ゆったりとしたランチタイムの後は、昨年できたばっかりの〈高尾599ミュージアム〉を目指し下山。開館時間のことも考えて、帰りはケーブルカーを利用することに。撮影をしていると通常の登山よりも時間がかかってしまうのです、と、ちょっと言い訳(笑)。1時間10分した登りがあっという間に到着。この手軽さも人気の秘訣です。ミュージアムは丁度ケーブルカーの駅と京王線高尾山口駅の間にありました。

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展示空間を引き立たせる白を基調としたとてもシンプルな内装。高尾山に生息する豊かな自然を透明なアクリルに封じ込めた展示は、新しい角度から昆虫や植物を観察ができます。タイミングが合えば、プロジェクションマッピングを見ることも。実際に自然の中を歩き観察したあとに展示で復習するのもよし、ミュージアムの中はカフェが並列されているのでコーヒーを飲みながらゆったりするのもよし。山の新しい楽しみ方を提案してくれてる高尾山は、まだまだ魅力が沢山ありそうです!

正直、登山で高尾山?なんて見下してしまいがちだけれど、「明治の森 高尾国定公園」でもあり、自然の豊かさはピカイチ。今回はいかなかったけれど、薬王院などの山岳信仰の場所もあります。身近なのにこんなにたくさん見所がある場所は他にはないのでは?と思いました。いつも標高の高い山を登っていても、木の名前って意外と知らないもの。高尾山でしょ?!と決めつけずに、初心に帰って行ってみるのもいいですね。

みなさんにも初めての登山や、山に魅了されるきっかけとなった場所があると思います。時々訪れる事で、自分の成長を再確認できたり、また違った視点で景色を見ることができた自分に、可能性を感じることができるかもしれませんね。そして装備に関して。低山だけど、必要なアイテムはありますよね。ハットとかウェアとか、山を快適にしてくれるコツを少しプラスできればより良い山行になります。特にこれからの季節は暑くなるので、日射病・熱中症対策を万端にしてください!

装備を軽くして日帰りで気軽に行くのんびり山登りも好きですが、自分のレベルアップで挑む山行も好きです。次回の山行予定は、少し標高がある所に挑む予定。前回の北横岳の反省をふまえた装備や体作りを始めようと思います!お楽しみに。

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【ギア紹介】

●リュックサック(dale 28 type1):背面には新設計の「形状可変バックプレート」を配置し、安定感やフィット感を高めているほか、ボディシェイプの見直しなど、細部にわたってアップデート。
●シャツ(beni W’s shirts L/S):4WAYストレッチ素材〈FlexSkin®〉を使用。速乾性も備えているため、アクティブな山行にも対応します。
●パンツ(canyon W’s pants):ストレッチ性・ストレッチバック性・耐摩耗性に優れたFITTY®を使用。リュックのヒップベルトに干渉しないようファスナーポケットを配置
●レインウェア(phantom W’s jkt):低山だからといって油断は禁物。レインジャケットはいつでも入れておきましょう。
●ビーニー(cool folded beanie):微妙な季節に大活躍。CottonとLinenが編みこまれた糸は通気性抜群。
●シート:THERMARESTのZ Seat ●ストック ●ヘットランプ ●デジタルカメラ●食材:水500ml×1 水筒1ℓ×1 昼食(トルティーヤ・トマト・ベーコン・カマンベール・サラダ菜・卵・ぶどう・固形スープ・その他調味料) 行動食 ●バーナー、ガスカートリッジ、コッフェル、ミニフライパン、木製食器一式 ●ナイフ ●ノート:地図をカラーコピーして貼りました。


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はらぺこガール

性別:女性
登山歴:1年のビギナー
趣味:写真を撮る・絵を描く・ソフトボール

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