世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅する企画。今回はタウンにもちょっとしたアウトドアにも使い勝手のよいtribute 25を背負って、北カリフォルニアの“幸せのかたち”を探す旅。ソノマの大地に広がるワイナリーから旅を始め、食の街・バークレー、アーティストが住まう緑深いインヴァネス、大都会サンフランシスコ、そしてヒップな海が広がるボリナスまでを車で駆け抜けた。
兄弟で営むソノマの<スクライブ・ワイナリー>
オーナーのアンドリュー&アダム・マリアニ兄弟。2007年にワイナリーを設立して以来、2人は全幅の信頼を置くビジネスパートナーだ。兄弟で共同経営するメリットは、彼ら曰く「喧嘩して殴り合ったとしても後腐れないところじゃないかな(笑)」と返答。兄のアンドリューはフランス製の青いワークジャケットがトレードマーク。
トップシェフのケリー・マリアニ
ピンクのTシャツの女性は3人兄妹の末っ子、ケリー・マリアニ。ローマの学校でスローフードを学び、<シェ・パニース>で研鑽した、若き凄腕シェフ。食材は1エイカーに及ぶ敷地内の畑で調達。ワイナリーを訪れたゲストに、彼女の「まかない」が振る舞われる。「昔から料理を人に食べてもらうのが大好きなの」とケリー。どうやら天職のようだ。
ローカルメイドのお皿で、地産地消に舌鼓
ワイナリーのテイスティングで出される軽食には、青々しいオリーブオイルの香りが爽やかなトルティージャと、さっと茹でた旬のアスパラガスにアーティチョークと人参の自家製ピクルス、自家製マヨを別添えで。畑から採れたシーズナルサラダ、自家製フォカッチャも。プレートはオークランド在住のマリアニ兄妹の友人、陶芸家ジェシカ・ニエロによるもの。
バークレー市内のファーマーズマーケット
毎週木曜日、バークレーの目抜き通りシャタック・アヴェニューで行われるファーマーズマーケット。ここは<シェ・パニース>御用達の市場でもあり、地元のオーガニックファーマーがずらりと肩を並べる。地元の有力レストランのシェフなんかに遭遇することもしばしば。シェフ、市民、ファーマーの、大切な情報交換の場になっている。
ペイリオダイエットに特化した新進気鋭のカフェ
フードカルチャーのグランウンド・ゼロ、バークレー。<シェ・パニース>を筆頭に様々なレストランがしのぎを削っている。その中で今最も注目されているのが、ペイリオダイエットの思想を取り入れたカフェ<ミッション・エアルーム>。免疫強化にもひと役かってくれる食事を、開放感あふれるパティオでいただく瞬間は、とにかく「最高!」のひと言につきる。
原始時代の食事法ペイリオとは?
写真一番上は、ヤーコン芋(キク科)の根っこで作られたバンズにアボカドを挟んだ「メキシカンバーガー」。64℃で7時間茹でられた温泉卵付き。左は、地元の小さな家族経営の農場から取り寄せた季節の葉物野菜、根菜、フルーツ、花がふんだんに使われた「マーケットサラダ」。右は、グラスフェッドのラム肉にカリフラワーのピューレを添えた「シェパードパイ」。
この湿度、この新緑がインヴァネス
多種多様な緑が織りなす、インヴァネスの森。新緑の時期と重なり、さらに緑の色相が豊かで、目に優しく映る。大地に深く切り込まれたトマレス・ベイは、浅瀬なので子どものスイミングスポットとして地元民に大人気。水が澄んでいて、シーズン通して新鮮な魚介が獲れるので、各地から観光客が訪れる場所でもある。名物はオイスター。
朝のノックと、朝食と、カラス
<マンカス・インヴァネ・ロッジ>に宿泊。前日にホテルの従業員から「朝食をカラスと取り合いになるかもよ」とイタズラなウィンクをされて、必死の思いでその瞬間を待ち……無事に朝食のバスケットをゲット!大自然の只中にあるから、自然界がライバルなところも貴重な体験。バスケットの中身は濃厚な林檎ジュース、自家製ヨーグルトとミューズリー、地元産のハチミツ、焼きたてのシナモンロールに、コーヒー。
森の中にあるアウトドアシャワー
ロッジ内にある1909年製のフィッシングキャビンには、猫足のバスタブのほか、半屋外にシャワーが。外のシャワールームは、デッキとついたて1枚で繋がっている。天井が抜けていて、空を見ながら入ることができる、この開放感といったら! 夜は満点の星を見ながら、朝は深い霧に囲まれて、シャワーを浴びる贅沢。一度体験してほしい。
木工作家イド・ヨシモトのアトリエ
木工アーティストであり空師のイド。彼の父、リック・ヨシモトはハワイの日系3世だ。元々は沖縄の血を引く一族。アトリエには、彼がお気に入りだという、日本の「日めくりカレンダー」が掛かっていた。木製のウールコームやペーパーフォルダーなど、機能美の高い作品が並ぶ。最近は年輪を使った木の版画も熱心に創作している。
愛娘ナイマのイタズラ道具は、生きたトカゲ!
イドの愛娘ナイマは、12歳にして森のことを熟知する、小さなネイチャーサイエンティスト。父とキノコ狩りをしたり、虫を集めたり、食べられる野草を探したりと、ナイマは森のことならなんでも知っている。大きな石の裏からトカゲを取り出して、満足そうなナイマ。親子ともどもトカゲでイタズラを仕掛けるのが大好き!
花が咲き乱れるマライアの庭
彫刻家J.B.ブランクが生前ハンドビルドした家と、その眼下に広がる国立公園。娘のマライアはJ.B.ブランクエステートのディレクター。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで建築の学位を修め、現在はキュレーターとしても活躍。ロンドンの一流芸術学校の首席は総じて「大自然に囲まれて育った人」が多いそう。目にしてきた「自然」が違うと、感性も違うのだろうか。
マライアがキュレーションする家の中
インヴァネスにあるJ.B.ブランクハウスは、故J.B.ブランクの作品や彼の友人たちの作品が上品に配置されている。多くの書籍や雑誌にも取り上げられてきたインテリアは、同じようでいて常に作品やレイアウトを変えているので、何度訪れても新鮮さが感じられる。さすが、売れっ子キュレーターのマライアが管理しているだけある。
ミッション地区の小さな家
起業家のバレットとリサの家は、サンフランシスコのミッション地区にある。母屋は4ベッドルームとかなり大きいが、そこには住まず庭の1DKのコテージを住まいとする。家に訪れるとサン・ティー(太陽のお茶)を出してくれた。作り方は、お気に入りの茶葉とレモン、水をガラス瓶に入れて、太陽の下に置くだけ。カルフォルニアらしい飲み物だ。
ボリナスでチルな波乗り
バレットのお気に入りは、ボリナスでのまったりした波乗り。ボリナスの街中に入るには、一本道を通るしかなく、かなり閉ざされたコミュニティだ。地元の人は、あまり外部の人の出入りを好まない。だからこそ、何度も足を運んで地元に馴染む必要がある。バレットは9年間通いつづけたことで、地元の信頼を得ているよう。
- TRANSIT 編集部
ビートニクやヒッピームーブメント、バックパッキングブームをはじめ、自由でフラットなカリフォルニアの存在は、いつの時代も私たちを魅了してきました。そして、ヒッピー全盛期のサマー・オブ・ラブから50年を迎えた2017年の今、かの地はふたたび大きなうねりを見せています。スタートアップがひしめくITバブルに宇宙ビジネス、世界を牽引するオーガニックシーン、娯楽用大麻解禁の是非、また政権交代とともに揺れる移民政策……など、さまざまな分野が世界から注目を浴びています。TRANSIT36号では、そんな目が離せないかの地の“今”を総力特集。
Karrimorとカリフォルニアを旅して
- [ トリビュート 25 ]
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