TRANSITの旅にkarrimorを。ニューヨーク篇

世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅をする企画。今回は荷物の量によって形を変えられるロールトップタイプのショルダーバッグ〈urban duty jig 20〉とともに、ニューヨーク州をめぐる旅。大都会ニューヨーク市とは違い、時間がゆったり流れるアップステートで、豊かな暮らしと牧歌的な景色を見つめた5日間。

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全米一の大都会ニューヨークの摩天楼

出発前の朝、ニューヨーク市の雰囲気を味わいたくて、早起きしてイーストヴィレッジを訪れてみた。道行く人は思い思いの格好で自転車やスケボーを乗りこなし、通りに個性的な店が並ぶヒップな街だ。ニューヨークに来た!という実感が身を包み、気持ちが昂る。車に乗り込み目的地へ向かう途中、対岸からマンハッタンの摩天楼を眺めて、その大都会ぶりを再認識した。郊外はどのような景色を見せてくれるだろう。

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ブロンクスを越えると景色が一変

マンハッタンから少し車を走らせ、ブロンクスを越えていよいよニューヨーク市の外へ。ニューヨーク市外といっても、「ニューヨーク都市圏」と呼ばれる地域なので、自然豊かな景色はまだ先と思っていたら、あっという間に景色が一変。建物がなくなり、道路を走る車もまばらになってしまった。出発前は緊張していたが、気持ちのいい道がつづいて一安心。これならリラックスして走れそうだ。

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小さな町がひとつひとつ離れて点在

アップステートといっても、町が連なっているのだろうと想像していたが、実際に車で走ってみると町と町の間には、何もない土地がつづいている。家や農場の敷地が広大で、日本の地方とはまったく異なる風景だ。これがアメリカの田舎か!と衝撃をうけてしまった。道沿いで突然農業用のトレーラーが売りにだされていたりと、アップステートならではのスケール感に驚くことが多かった。

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若者が営むクリントンコナーズの酪農場

マンハッタンから車で約1時間半、クリントン・コナーズという地区に到着。ここにシティを離れた女性と国内外の農場で働いてきた男性の若いカップルが開いた農場があると聞きやってきた。東京ドーム10個分以上の土地を所有するオーナーから一部を間借りする農場は二人で管理しているとは信じられないほど広大だ。話をするうちに同じく間借りで酪農をしている仲間も紹介してくれた。彼らも都会からこの地へ来た移住組。どうやら都会の慌ただしい生活を逃れ、新天地で挑戦する若者は増えつつあるようだ。

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ロンドドウト川が町を貫くローゼンデール

突然現れた川沿いの町の風景に心がひかれ、立ち寄ることに。道行く人に話をきくと、ローゼンデール・トレッスル橋というシンボル的な橋からの眺めをオススメされた。高台にある橋まで行ってみると、延々とつづく広大な土地と、川、そしてその畔に佇む家々が一望できる。素晴らしい景色に出合えて得した気分に。道中で気ままに寄り道して、思いがけず美しい景色やおもしろい人びとに出合うことができるのも、ロードトリップならではの醍醐味だ。

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ローゼンデールで行われていたフェスティバル

ローゼンデールの町は、カラフルな木造建築が建ち並びかわいらしい。建物の形や看板のデザインはレトロで、まるでテーマパークやおもちゃの町に迷い込んだような雰囲気だ。真夏の土曜日ということもあり、町内ではちょうどサマーフェスティバルが開催されていた。食べ物や飲み物、日用品などの雑貨を扱う出店もでて、町には近郊の町からも人が集まってきているようだ。ほんとうに小さな町だが、活気に溢れた楽しいひとときを満喫できた。

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ニューパルツ近郊にある広大なりんご園

これまでめぐってきて感じたのはニューヨーク州が農業の盛んな州であるということ。郊外にはニューヨーク市から感じるイメージとは対極にあるような景色が広がっている。さまざまな野菜、ヨーグルトやチーズといった乳製品、メープルシロップなど多くの農産品が作られているが、なかでも名産品として名高いのがりんごだ。ニューパルツ近くにあるりんご園は、レストランが併設されていて、食事後に思い思いに散策する人びとの姿が印象的だった。

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農場が営む直売所はサービスエリアのよう

アップステートでは、所々で農園が運営する直売所を目にした。アイスクリームなど軽食を売る店や、牛やアルパカ、羊などに餌をあげられる空間を設置したスケールの大きな所もある。なかには子どもが遊ぶ大きなトランポリンなど遊具のある直売所まであって、日本のサービスエリアのよう。田舎町の一角にしては人出が多く、農作物を買いに来たというより、大人も子どもも、餌やり体験などを楽しむために訪れているという様子だ。

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アップステートのおしゃれな町、ハドソンへ

ハドソンはマンハッタンから電車で約3時間、乗り換えなしでアクセスできる利便性と家賃の安さから、クリエイティブな若者の人気が高まっている町。1970年代からアートの町として発展しはじめたそうで、たしかにこれまで訪れた町と比べると洗練されている印象だ。町を歩く人びとや、目抜き通りに並ぶブティック、アートショップが作り出す町全体の雰囲気が心地よい。町のサイズも大きすぎず小さすぎずで、とても生活しやすそう。

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活気溢れるキングストンのファーマーズマーケット

ニューヨーク州の州都オールバニーとニューヨーク市との中間に位置するキングストンでは、夏の間は毎週土曜日に大規模なファーマーズマーケットが開催されている。近隣で作られる農作物が直販されるマーケットの雰囲気を味わいたくて、訪れてみた。多くの農家が出店する通りは、大盛況。生産者との会話を楽しみながら買い物する人たちの姿をみることができた。

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マーケットはバンド演奏もあって、お祭りのよう

ファーマーズマーケットではバンドが演奏する簡易ステージも。夏の日差しと心地よい音楽がマーケットを包み込み、明るくリラックスした雰囲気を作り出す。その様子はお祭りのようでもあった。キングストンは、ハドソンと同じくニューヨーク市から2時間弱とアクセスしやすい町。豊かな自然に触れながらリラックスできる環境で、東京の人にとっての軽井沢や那須のような位置づけなのかもしれない。

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ニューヨーク州初のウイスキーブランドショップ

アップステートをめぐる旅の締めくくりに訪れたのは、禁酒法時代以後はじめてとなるウイスキー蒸留所をもつ〈Tuthilltown Spirits〉。独自にウイスキー造りを学んだという創業者に話をきくと、彼もニューヨーク市からの移住組だった。ニューヨーク市とのつながりを保ちながら、自然に囲まれた環境で過ごせるアップステートは、フロンティアスピリッツをもつ人びとにとって理想的な場所として存在していた。

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karrimorとニューヨークを旅して

TRANSIT 編集部
ニューヨークを特集したTRANSIT41号で、取材クルーは全米一の大都市ニューヨーク市を中心に、市外の北部に広がる広大なアップステートなどもめぐりました。カルチャーや経済など様々な面でアメリカのみならず世界の先端を走り続けるニューヨーク市と、そこから一定の距離をとった新しい暮らしのかたちがあるアップステート。ニューヨーク州はさまざまな価値観が織り交ざった多様性のある場所でした。
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今回のおすすめアイテム

urban duty jig 20

[ アーバンデューティ ジグ 20 ]
ライフスタイルやトラベルで活躍するショルダーバッグ。厚手のナイロンに特殊加工とワックスコーティングを施したカリマー独自の新素材rhinocloth〈ライノクロス〉は、丈夫でハリがあり、使い込むことによって生地に表れる汚れやスレが風合いや味わいを演出します。大きく開き出し入れの容易な開口部は、ロールトップタイプなので、荷物の増減にも柔軟に対応してくれる。
フィット感の高い背面設計と肩掛けを採用し、携行性も抜群。背面からメインコンパートメントにアクセスできるジップのほか、小物の収納に便利なポケットなど利便性を高めるポケットも充実しています。   

ポイント 

  • 丈夫でハリのあるrhinocloth〈ライノクロス〉を採用
  • 荷物量により形を変えられるロールトップタイプ
  • 生活のさまざまなシーンにフィットする高いデザイン性

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掲載号

TRANSIT41号 ニューヨーク ニューヨークには夢がある!

2018年9月14日発売
価格:1800円(+税)

TRANSITの旅にkarrimorを。

世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅をした、誌面には掲載されていない取材の裏話を公開しています。

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